疾走

2004年5月19日
yukio さん秘密です!

697、6KM今日一日の走行距離で、私の車走行のレコードである。
朝、5時30分に高千穂に向け出発した。

宮崎出張直前の理事長から間一髪で添付書類を預かる。
複写をして、ようやく申請書に押印が出来る。
感極まる瞬間であった。

大会社の営業所の所長に経過を説明してねぎらいの言葉を頂く。
曰く「良く、仕上げてくれました。」

曰く「気をつけて福岡に届けてください。」
苦労をともにしてきたスタッフの仲間の顔が浮かぶ。

迷子状態の中、NEDO本部に着く。
「直接は受け取れない!」

との問答もありながらも申請書を提出できる。
締め切りの17時30分の少し前である。

防衛庁にも出向き、本年度の意向を伺う。
会社方針を考慮しなければならぬようである。

電話を入れると吉報である。専務が始めて仕事を取った。
県にかかわる太陽光発電の設置工事である。凄い!

移動中に日南から明日、仕事の打ち合わせにきてもらいたいとの
電話であった。

手帳で確認するも仏滅なのにこの状況、
兜の緒を締めろ、である。

指は骨折か、砕けてるのかも知れぬ。
熱く痛い。病院に行く暇はない。それど頃でもない。

身だしなみ一つ移動中である。
よる11時から山口県からのお客さんと新規取引の仕事の話し合い。
何と言う取引条件!天にも昇る喜び。

植木から熊本は雨の中であった。

♪あめ〜は降る
♪ふ〜る、人馬は濡れ〜る♪
越すにこされ〜ぬ
田原坂♪

右手(めて)に血刀(ちがたな)
左手(ゆんで)に手綱(たづな)
馬上ゆたかな 美少年

山に屍(しかばね) 川に血流る
肥薩(ひさつ)の天地 秋さびし

田原坂なら 昔が恋し
男同志の 夢の跡

春は桜よ 秋なら紅葉
夢も田原の 草枕

夢を褥(しとね)に 夢やいづこ
明けのみ空に 日の御旗(みはた)

官軍戦没者6923名、薩摩軍戦没者7186名壮絶な戦いの地、
田原坂を通過する時,1〜2番を静かに歌った。
怨霊の彷徨いを感ずるからである。

熊本城は加藤清正が1601年より茶臼丘陵に熊本城を築き1607年に完成した城である。明治期には鎮台がおかれ、九州の軍事的中心地となっていた。

熊本城の南側には自然の要塞白川があり、北側は植木町まで続く台地で囲まれ、田原坂は城北防衛の要地であった。

中世、日向の伊東氏の西都市、都於郡の浮き船の城とまったく同じである。その滅び行く姿さえ何と似通っていることか。

田原坂の戦いの大半は冷たい雨の降り続く中で行われた。
幾多の話の中の若き乃木将軍の軍旗奪われる話は、今も語り草。

「薩摩隼人は天下無敵じゃが、一に雨、二に大砲、三に赤帽は苦手じゃ」と薩摩の兵士はこぼしていた。

赤帽とは白兵戦に強かった近衛兵、大砲は炸裂弾の大砲、最も恐れたのが雨だった。

雨が降ると薩摩兵の木綿の着物は水を吸い動きが取れず、わらじは雨と泥の中でぶつぶつと切れ、先込めのエンピ-ル銃は粉の火薬が水を吸って不発になる。

官軍は水に強いラシャの軍服、革の軍靴、雨の中でも発射できる元込めのスナイドル銃を使用していた。

雨の田原坂の戦いは官軍に有利に展開していった。

明治10年、西郷隆盛率いる薩摩軍主力と熊本城救援に南下する政府軍とが衝突、

3月4日から20日まで合計10万の将兵が激闘し、
死傷者3万5000名、遂に薩摩軍は敗退した。

両軍の発した銃からの玉と玉があたっている弾痕が田原坂記念館には、保管されている程の日本最大、最後の内乱の地である。

武士たちの魂はニルヴァーナ(涅槃)の世界に到達できてるのか。

昨日は高千穂の地で官軍墓地を訪ねた。小坂峠の激闘、
廣島の村上清之進を始めとする44の英霊たちの安寧を祈った。

ニルヴァーナ(涅槃)「古くは煩悩の火が吹き消された状態の安らぎ、さとりの境地をいう。また、生命の火が吹き消されたということで、入滅、死去をいう」――『岩波 仏教辞典』

田原坂の地には移動販売からスタートしたカフェ・ラ・タオ。
熊本で多店舗展開中。

ジャポニックカフェ橙(田原坂本店号)/ジャポニックカフェ橙/自家焙煎タオ珈琲。いずれも旧市街・山鹿の田尾さんが経営される。

この青年社長に教訓を受け、感化された。私の経営者時代である。
3年前の失意の時裁判中を隠し山鹿町を旅した。

優雅な山鹿灯篭祭りは、妻との最後の別れの場、
崩れ行く私の家系であった。雨が丁度いい。春風秋雨、怨念の涙雨。

それでも走り続け、走り抜く。
本日の600KMは九州4街道を制覇したことになる。

日向街道・日向往還・豊後・豊前、長崎街道
日向往還は熊本から宮崎、豊前は旧三号線、薩摩、豊後となる。

日向街道は小倉から大分を経てから鹿児島今の10号線に沿っていた、
飫肥・人吉街道は西都市を経て日南に到る。
この道のみが今日の行動から外れた。

明日その道を走る。

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