北方町発電所
2004年9月28日昨夜は一晩中台風情報のインター・ネット画面を見ていた。
自然の猛威たる21号台風がまっすぐに刻々と近づいている。
北方町の3KWの有田発電所を着工するや否やのギリギリまで情報を収集していた。
「午後三時ごろまでに終了すれば雨には遭わない!」
せきやんAPA予報官の決断である。
朝6時30分にはAPAを出発。現地ははるか80km彼方。
9時前には到着した。
普段は足場工事は外注であるがどうにも緊急の足場屋さんはいないのでAPAで施工。これでは計画が狂ってしまう。
この時間が読めない。
作業進捗を描きながら、高岡の屋根寸とり、都城、小林を移動する。
都城では新規の仕事を頂く。大先輩とこの元請・副所長さんは馬が会うのであろう。私の出る膜はない。
ただ難問であるエコキュートの申込み事務を賜る。これは難題である。
エコキュートの申込みは非常なる技術を要する。
初日の10月1日で補助金が切れるからである。
速達の期日指定郵便の最終日は今日である。
小林では担当さん宅で田舎豆腐を食する。遅き昼じき。
原寸とりと副所長さんとお話を2時間。
太陽光発電の研究者である。
柔和で温厚な語り口の中に漲る情熱を感じる。
同好者同士が感じる熱きものをヒシヒシと感じた。
途中北方の情報が入る。3時きっちりに雨との事である。
怖いぐらいの的中率。この後は1時間降った跡に作業はできる。
Tだし本格的な雨になってくる。・・・・
このまま雨で暴風雨状況となり、明日は台風である。
どうやら有田発電所を遣り上げたとの事である。
この職人集団はやり手。凄い職人集団である。
にっくき雨とほしき降雨量。
1999年北京の地下水位は2.5m下がったが、1965年以来、同市の地下水位は59mも下がっており、中国の指導者に対しいずれ中国の地下帯水層が枯渇すると警告している.
水理的には、中国には2つの領域がある.
湿潤な南の揚子江を含むベーズンとその南方の全て、
そして揚子江北方の全ての地域である.
南の地域には7億人が住むところで、中国全土の3分の1の農作物、
4分の1の水を供している.
北の地域は5.5億人が住む、3分の2の農地と5分の1の水を持つところである.
この2地域は対照的で、単位面積当たりの北域の水供給量は南の8分の1でしかない.
中国の北方地域では、水の需要は供給を上回り干上がりつつある.
そして地下水位は下がる一方、井戸は枯れ河川、湖沼は消滅しつつある.
北方の平原、上海北辺から北京のかなり北に至る、広大な地帯は中国穀物の40%を生産しているが、水位が年平均で1.5mも下がりつつある.
北部の農民は、帯水層の減少と都市と工業への給水によって、
灌漑用水の不足に悩まされている.
現在と2010年の間、中国人口は1億2千万人増加すると見込まれており、世界銀行は中国の都市の必要水量は現在の500億立方mから800億立方mに達すると見ている.これは60%の成長である
、工業用水は1270億立方mから2060億立方m、62%も増大するという.多くの北方地域で農業向けの灌漑用水を回すしかない.
この灌漑用水に起こることが、未来の中国農業を直撃することになる.
因みに米国での穀物生産では、灌漑農地からのそれは15%程度以下である.中国ではこれが殆ど70%にも達しているのである.
このため農業、都市、工業間で水の取り合いとなるが、水経済は農業に味方しない.
それは中国では1000トンの水が1トンの小麦を作るが、これは200ドルの価値しかない.
これが工業で使われば、14000ドルー70倍の価値を生むのである.
経済成長に必死で雇用確保が焦眉の中国のような国で、水は農業に流れず工業に向かうのは必然なのである.
黄河、この中国の二大河川の最北の河、黄河では水が過剰に使われている.
古代から何千年もの間中国文明を、絶えることなく支えてきた黄河も今では乾いて、1972年には年間15日程度しか海に辿り着けなかった.
その後、1985年まで黄河はしばしば干上ったが、その後は毎年ある時期、黄河は水が流れなくなった.
1997年は乾燥した年であったが、黄河は一年の内226日も海にたどり着けなかった.
実際、1997年の殆どの期間は黄河は山東省、海に至るまでの8地方の最後の省、に到達することすら出来なかった.
山東省は中国のトウモロコシの5分の1、小麦の7分の1を生産するところ、
米国で言えばアイオワ、カンサスを一緒にした地域よりも重要なのである.
山東省では灌漑用水の半分は黄河から来るが、いまではこれが細りつつある.
残りの半分は地下の帯水層から取水している.
これが今年1.5mの早さで下がりつつある.
何百とある黄河上流の取水プロジェクトの中で、内モンゴルの首都(Hohhot)へ水を引く運河計画は2003年にスタートする.
この水は増大する一般向けの水としてだけでなく、この地方で拡大しつつある羊毛の紡績工業にも使われる.
山西省の、人口400万人の太原市向けの運河計画がある.ここでは最近水の配給制を始めた.
今も増え続ける黄河上流での引き水計画を見ると、遠からず山東省には水が全く行かなくなる.
これは山東省が潅漑用水の半分をが失うことを意味し、膨大な穀物生産の喪失の可能性は中国の米国の穀物輸入依存度を高めることになる.
黄河のすぐ北、海河ベーズンには1億人以上が住む、
北京、天津の工業地帯が拡がる地帯である.
現在、このベーズンの水需要は年550億立方mに及ぶが、持続可能な水の供給量は340億立方mでしかない.
この不足分210億立方mは過度に地下水を汲み上げしかない.
帯水層が干上った時には、当然ながら持続可能なレベルである、
40%の水カットをするしかない.
急速な都市化、工業化することを前提とすると、大局的には潅漑用水に頼るこの地方の農業は、2010年までに消滅することになる.
その時、より効率の悪い雨水に頼る農業だけが残る.
一方、経済成長率を年7%と見込む中国で、いま人口は年1200万人増え、しかも穀物で飼育する肉食が増えている
.このため中国の穀物消費は更に伸びることとなる.
この傾向が続けば、中国では水不足が更に深刻となり、カギとなる穀倉地帯での生産量が更に減少することになる.
中国が日本をも凌駕する大穀物輸入国となる日も遠くはない.
長期間続けたきた穀物自給政策から正式に撤退する道がある.
1994年から続けた、ほぼ42%の思い切った穀物価格維持策は、穀物の自給が目的だが、
北京の指導者は財政負担が大きすぎるとして穀物価格を世界市場のレベルまで下げることを容認するようになった.
更に水の需給に競争原理を取り入れると表明しているが、これは都市、産業が水の獲得において優先に立ち、農業が置いて行かれることを意味するものである.
水不足に悩むのは、中国一国だけではない.
水不足で穀物の輸入が増える、或いは増やさざるをえない国には、
インド、パキスタン、イラン、エジプト、メキシコなどがあるが、これに加わる小さな更に多くの国々がある.
中国ほぼ13億の人口を擁し、
米国に400億ドルもの貿易黒字を有するのは中国のみである.
中国が世界の穀物市場を乱すだけの力を持っているのである.
以上を要するに、中国の低下する地下水位が、近い将来、世界の穀物価格をつり上げるかも知れないというのである.
自然の猛威たる21号台風がまっすぐに刻々と近づいている。
北方町の3KWの有田発電所を着工するや否やのギリギリまで情報を収集していた。
「午後三時ごろまでに終了すれば雨には遭わない!」
せきやんAPA予報官の決断である。
朝6時30分にはAPAを出発。現地ははるか80km彼方。
9時前には到着した。
普段は足場工事は外注であるがどうにも緊急の足場屋さんはいないのでAPAで施工。これでは計画が狂ってしまう。
この時間が読めない。
作業進捗を描きながら、高岡の屋根寸とり、都城、小林を移動する。
都城では新規の仕事を頂く。大先輩とこの元請・副所長さんは馬が会うのであろう。私の出る膜はない。
ただ難問であるエコキュートの申込み事務を賜る。これは難題である。
エコキュートの申込みは非常なる技術を要する。
初日の10月1日で補助金が切れるからである。
速達の期日指定郵便の最終日は今日である。
小林では担当さん宅で田舎豆腐を食する。遅き昼じき。
原寸とりと副所長さんとお話を2時間。
太陽光発電の研究者である。
柔和で温厚な語り口の中に漲る情熱を感じる。
同好者同士が感じる熱きものをヒシヒシと感じた。
途中北方の情報が入る。3時きっちりに雨との事である。
怖いぐらいの的中率。この後は1時間降った跡に作業はできる。
Tだし本格的な雨になってくる。・・・・
このまま雨で暴風雨状況となり、明日は台風である。
どうやら有田発電所を遣り上げたとの事である。
この職人集団はやり手。凄い職人集団である。
にっくき雨とほしき降雨量。
1999年北京の地下水位は2.5m下がったが、1965年以来、同市の地下水位は59mも下がっており、中国の指導者に対しいずれ中国の地下帯水層が枯渇すると警告している.
水理的には、中国には2つの領域がある.
湿潤な南の揚子江を含むベーズンとその南方の全て、
そして揚子江北方の全ての地域である.
南の地域には7億人が住むところで、中国全土の3分の1の農作物、
4分の1の水を供している.
北の地域は5.5億人が住む、3分の2の農地と5分の1の水を持つところである.
この2地域は対照的で、単位面積当たりの北域の水供給量は南の8分の1でしかない.
中国の北方地域では、水の需要は供給を上回り干上がりつつある.
そして地下水位は下がる一方、井戸は枯れ河川、湖沼は消滅しつつある.
北方の平原、上海北辺から北京のかなり北に至る、広大な地帯は中国穀物の40%を生産しているが、水位が年平均で1.5mも下がりつつある.
北部の農民は、帯水層の減少と都市と工業への給水によって、
灌漑用水の不足に悩まされている.
現在と2010年の間、中国人口は1億2千万人増加すると見込まれており、世界銀行は中国の都市の必要水量は現在の500億立方mから800億立方mに達すると見ている.これは60%の成長である
、工業用水は1270億立方mから2060億立方m、62%も増大するという.多くの北方地域で農業向けの灌漑用水を回すしかない.
この灌漑用水に起こることが、未来の中国農業を直撃することになる.
因みに米国での穀物生産では、灌漑農地からのそれは15%程度以下である.中国ではこれが殆ど70%にも達しているのである.
このため農業、都市、工業間で水の取り合いとなるが、水経済は農業に味方しない.
それは中国では1000トンの水が1トンの小麦を作るが、これは200ドルの価値しかない.
これが工業で使われば、14000ドルー70倍の価値を生むのである.
経済成長に必死で雇用確保が焦眉の中国のような国で、水は農業に流れず工業に向かうのは必然なのである.
黄河、この中国の二大河川の最北の河、黄河では水が過剰に使われている.
古代から何千年もの間中国文明を、絶えることなく支えてきた黄河も今では乾いて、1972年には年間15日程度しか海に辿り着けなかった.
その後、1985年まで黄河はしばしば干上ったが、その後は毎年ある時期、黄河は水が流れなくなった.
1997年は乾燥した年であったが、黄河は一年の内226日も海にたどり着けなかった.
実際、1997年の殆どの期間は黄河は山東省、海に至るまでの8地方の最後の省、に到達することすら出来なかった.
山東省は中国のトウモロコシの5分の1、小麦の7分の1を生産するところ、
米国で言えばアイオワ、カンサスを一緒にした地域よりも重要なのである.
山東省では灌漑用水の半分は黄河から来るが、いまではこれが細りつつある.
残りの半分は地下の帯水層から取水している.
これが今年1.5mの早さで下がりつつある.
何百とある黄河上流の取水プロジェクトの中で、内モンゴルの首都(Hohhot)へ水を引く運河計画は2003年にスタートする.
この水は増大する一般向けの水としてだけでなく、この地方で拡大しつつある羊毛の紡績工業にも使われる.
山西省の、人口400万人の太原市向けの運河計画がある.ここでは最近水の配給制を始めた.
今も増え続ける黄河上流での引き水計画を見ると、遠からず山東省には水が全く行かなくなる.
これは山東省が潅漑用水の半分をが失うことを意味し、膨大な穀物生産の喪失の可能性は中国の米国の穀物輸入依存度を高めることになる.
黄河のすぐ北、海河ベーズンには1億人以上が住む、
北京、天津の工業地帯が拡がる地帯である.
現在、このベーズンの水需要は年550億立方mに及ぶが、持続可能な水の供給量は340億立方mでしかない.
この不足分210億立方mは過度に地下水を汲み上げしかない.
帯水層が干上った時には、当然ながら持続可能なレベルである、
40%の水カットをするしかない.
急速な都市化、工業化することを前提とすると、大局的には潅漑用水に頼るこの地方の農業は、2010年までに消滅することになる.
その時、より効率の悪い雨水に頼る農業だけが残る.
一方、経済成長率を年7%と見込む中国で、いま人口は年1200万人増え、しかも穀物で飼育する肉食が増えている
.このため中国の穀物消費は更に伸びることとなる.
この傾向が続けば、中国では水不足が更に深刻となり、カギとなる穀倉地帯での生産量が更に減少することになる.
中国が日本をも凌駕する大穀物輸入国となる日も遠くはない.
長期間続けたきた穀物自給政策から正式に撤退する道がある.
1994年から続けた、ほぼ42%の思い切った穀物価格維持策は、穀物の自給が目的だが、
北京の指導者は財政負担が大きすぎるとして穀物価格を世界市場のレベルまで下げることを容認するようになった.
更に水の需給に競争原理を取り入れると表明しているが、これは都市、産業が水の獲得において優先に立ち、農業が置いて行かれることを意味するものである.
水不足に悩むのは、中国一国だけではない.
水不足で穀物の輸入が増える、或いは増やさざるをえない国には、
インド、パキスタン、イラン、エジプト、メキシコなどがあるが、これに加わる小さな更に多くの国々がある.
中国ほぼ13億の人口を擁し、
米国に400億ドルもの貿易黒字を有するのは中国のみである.
中国が世界の穀物市場を乱すだけの力を持っているのである.
以上を要するに、中国の低下する地下水位が、近い将来、世界の穀物価格をつり上げるかも知れないというのである.
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